
詩人・井坂洋子が、日々の暮らしのそばにある詩のありようを綴ったエッセイ。難解なものとして遠ざけられがちな詩を、誰もが触れられる言葉の手触りに引き寄せていく。淡い水色を地に、丘や草花、白い鳥といったモチーフが小さく配されたカバーは、絵本のような穏やかさを湛えながらも余白を広くとり、詩そのもののように静かに息をする。タイトル文字は黒の明朝で控えめに置かれ、絵と言葉が同じ庭に並んでいるかのよう。詩が遠い場所ではなく、隣で待っていることを装丁が先に伝えている。

著朝井まかて
装丁アルビレオ
装画村上千彩
祥伝社 / 2022年
文学・評論