一覧に戻る文学・評論その話は今日はやめておきましょう井上荒野定年後の夫婦の前にひとりの青年が現れ、穏やかな日常が静かに揺らぎはじめる長編。クリーム色の地に縦組みの明朝体が品よく置かれ、淡い水彩で描かれた二人の人物が背を向けたまま、霞んだ街と海を見つめている。輪郭をぼかした筆致と、紺と生成り、灰青の抑えた色調が、口に出されない迷いや互いの間にある微かな距離をにじませる。語られない感情の温度を、装丁そのものが受けとめている一冊。About出版社毎日新聞出版出版年2021年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁大久保伸子装画agoera(welle design)Amazonで見る