
人と動物のあわいに宿る霊性をめぐる随筆集。狐や鯨、雀、鶏といったさまざまな生き物との交感や、各地に伝わる動物にまつわる怪異・信仰を、軽やかな筆致で綴った一冊。鮮やかな黄を地に、雀・鶏・狐・鯨・鼠などの動物画を散らし、中央には朱の毛筆書きでタイトル、白抜きで「霊」「能」の大きな漢字を据える。和紙の質感を思わせる地色と、放射状に淡く伸びる光の線が、絵巻物のような奥行きを生む。古い博物図譜と神話的気配が同居する装丁が、生き物に潜む不思議を呼び覚ます。

著内山純
装丁坂野公一(welle design)
集英社 / 2022年
文学・評論