
相撲部屋で暮らす猫たちと力士の日常を写真でとらえた一冊。土俵脇に寝そべる黒猫と、奥でまわし姿の力士が稽古する場面が同じ画面に収まり、緊張感のある現場と猫の悠然とした佇まいが対比されている。表紙は写真を大きく配し、その上に筆文字を思わせる極太の黒い和文タイトルを覆いかぶせるように組み、下半分には白地と赤の手書き風文字で帯のような情報帯を構成。荒々しい墨の質感と、猫のやわらかな毛並みの写真が同居することで、相撲部屋という張りつめた空気のなかにふっと猫が紛れ込む、その温度差そのものが装丁として立ち上がっている。
著いとうせいこう
装丁佐藤亜沙美
河出書房新社 / 2014年
文学・評論