
服飾を生業とする人々が、ふいに人生の縫い直しを迫られる物語。仕立て直しと再起をめぐる群像が、布地のように重なって展開する。黒地に紫・緑・橙のヴィヴィッドな配色で人物と道具を縦横に配したイラストレーションは、ミシン、ハサミ、メジャー、糸巻きといった裁縫のモチーフが画面いっぱいに渦を巻き、太い輪郭線と平面的な塗りで漫画的な疾走感を作り出している。タイトルは白抜きの明朝でまっすぐに通され、混沌の只中に針を一本通すような佇まいで、再生の手仕事の熱量を静かに束ねている。
著群ようこ
装丁鈴木久美
装画田尻真弓
KADOKAWA / 2018年
文学・評論