
恋愛と性的指向、そして他者への理解の難しさを描き出した同名作の続編。前作から時を経た登場人物たちの「再会」を通して、かつて交わせなかった言葉と向き合い直す物語。表紙はモノクロームに近い青の濃淡だけで構成され、背中合わせに立つ制服姿の男女がイラストで描かれる。舞い散る花弁と細い線で示された手すりが季節と場所を最小限に示し、白い余白が二人のあいだの距離をそのまま伝える。タイトルに重ねられた朱色の「再会」だけが、抑えた青を破って次の一歩を予感させる。

著碧野圭
装画新井陽次郎
講談社 / 2021年
文学・評論