一覧に戻る文学・評論蘭学探偵 岩永淳庵平谷美樹江戸期の蘭学医・岩永淳庵を主人公に据えた時代ミステリ連作の一篇。「海坊主と河童」という副題が示すとおり、怪異と医術・蘭学の知が交わる土地で、淳庵が事件の理を解いていく一冊。漆黒の地に白抜きの明朝で大書されたタイトルが画面を縦に貫き、中央には水彩で描かれた二人の人物像が淡く浮かび上がる。藍と肌色のにじみを残した筆致が、黒の余白と相まって闇夜に灯る行灯のような奥行きを生む。重い黒と軽やかな絵筆の対比が、怪異譚と理性の眼差しが拮抗するこの物語の気配をそのまま映している。About出版社実業之日本社出版年2014年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁谷口博俊(next door design)装画さやかAmazonで見る