
1860年、英国の片田舎で起きたロード・ヒル・ハウス殺人事件。事件を担当したウィッチャー警部の捜査を通して、近代探偵という存在の誕生をたどるノンフィクション。表紙には、シルクハットを被り背を向けて佇む男の影が大きく置かれ、その先には窓に灯のともる館と冬枯れの裸木、夜に沈む空が油彩のタッチで描かれている。題字は白抜きの明朝で画面中央に重ねられ、下部には英題が控えめに刷り込まれる。事件と捜査者、そしてそれを見つめる視線の三者を、一枚の絵画の奥行きの中に閉じ込めた装丁。
著土橋章宏
装丁谷口博俊
装画須田悠
筑摩書房 / 2017年
文学・評論