
時事から日常まで、独自の視点で世相を切り取り続けたコラムニストの仕事の核心に迫る一冊。書き手の眼差しがどこから対象を捉え、どう切り分けるのか、その「切り口」自体を主題に据えている。表紙はたっぷりとした余白の白を背景に、タイトルの三行を青と緑の太いゴシックで段階的に大きく組み、「切り口」だけを淡い緑で抜くことで、文字そのものが刃のように紙面を裁つ印象を生む。著者名と版元マークは右下に小さく控え、視線をタイトルに集中させる構成。装丁の引き算が、言葉で世界を切るというコラムの所作と静かに重なる。
著安田登
装丁尾原史和
ミシマ社 / 2019年
人文・思想