
国家とは何のためにあるのか。文化人類学者が世界各地のフィールドワークと日々のくらしを往復しながら、「無政府」という言葉に貼りついた過激なイメージを解きほぐし、よりよく生きるための〈問い〉と〈技法〉として捉え直す論考。表紙は淡いグレーとくすんだピンクベージュの帯を水平に重ね、ひらがなを大きく、片仮名の副題をやや小さく落とす穏やかな組み。罫線で囲まれた帯文と細やかな本文が、声を荒げずに静かに語りかけてくる。穏やかな佇まいそのものが、暮らしの足元から思想を立ち上げる本書の姿勢を映している。
著安田登
装丁尾原史和
ミシマ社 / 2019年
人文・思想