
物に残る思念を読み取る「サイコメトリー」を軸に、皮肉屋の青年教師と女子高生・莉音が事件に挑むミステリ連作。軽妙な掛け合いと推理の手触りを、ライトな文体で楽しませる一冊。表紙は鮮やかなイエローにハーフトーンのドット網点を重ね、コミック的な明度を前面に出した構図。眼鏡の青年とブレザー姿の少女を左右に配し、中央に縦組みの太い明朝で「残留思念/捜査」を据え、朱でルビ「サイコメトリー」を走らせて視線を集める。色面とキャラクター造形のテンポが、物語のポップな推理感をそのまま手渡してくる。
著中町信
装丁鈴木大輔
装画田中寛崇
徳間書店 / 2022年
文学・評論