
異界ミヤマを舞台にしたファンタジー小説の第三部。少年たちが偽りの支配と対峙し、自らの足で歩み出す姿が描かれる物語の佳境にあたる一冊。表紙は鮮烈なオレンジ地に、線描の繊細さを残したまま着彩された二人の少年が中央に配される。金色の髪と黄土の衣をまとう人物、黒髪に苔色の上衣を重ねた人物が肩を寄せ合い、足元には淡い青緑の道筋がのびる。タイトルと著者名は白の短冊と縦組みの白文字で余白を切り、火の粉のような点描が画面に動きを与える。熱を帯びた色面と、寄り添う二つの輪郭が、対峙の予感と連帯の確かさを同時に立ち上げている。
著大島真寿美
装丁名久井直子
装画榎本マリコ
KADOKAWA / 2018年
文学・評論