
怪談実話系のアンソロジー。複数の書き手が「夢」をめぐる怪異を持ち寄り、現実と夢の境にひそむざわめきを掬い上げる一冊。表紙は、舟形の器に身を横たえて目元を覆う女性と、傍らに座る黒猫を描いた絵画。画面いっぱいに敷き詰められた深紅の薔薇が舟を浮かべ、白い衣装と黒猫だけが赤の海から鮮明に切り出される。タイトルは白い明朝で大きく置かれ、朱の角印が「怪談実話」と静かに添えられている。眠りと血の色が重なり合い、夢の底にひらく不穏な甘さを予感させる装丁。

著鈴木、大輔、作家
装丁團夢見
装画白身魚
KADOKAWA / 2017年
文学・評論