
結婚式を翌日に控えた一組のカップルと、それぞれの家族が胸に秘めてきた想いを描く長編小説。最後の夜に交わされる言葉と、語られずにきた感情を静かにすくい上げる物語だ。淡いブルーグレーの地に、白いタキシードとウェディングドレスをまとう二人、花籠を抱える新婦、傍らに佇む青年と年配の女性をやわらかな線で描いたイラストレーションが配される。手書き風の白いタイトル文字と、帯の赤い問いかけが、晴れの日の高揚と記憶の奥にある感傷をひとつの画面に共存させている。
著瀧羽麻子
装丁鈴木久美
装画オガワミホ
祥伝社 / 2015年
文学・評論