
補欠としてサッカー部に在籍する高校生の青春を描く小説。タイトルは「補欠」を意味する。表紙には緑のユニフォームを着た少年たちがサッカーボールを抱え、青空を背景に立ち上がる姿が大判のイラストで描かれる。白抜きのカタカナタイトルは勢いよく斜めに踊り、二つの感嘆符が若さの初動を可視化する。手描き感のある線と平塗りの色面、雲の柔らかな黄緑が、汗と陽光の質感をまっすぐに引き受ける。中心から外れた場所で球を抱える主人公の表情が、控えという立ち位置の物語を静かに告げている。

著藤岡陽子
装丁bookwall
装画中村至宏
祥伝社 / 2019年
文学・評論