
物理学者がやさしい言葉で宇宙の不思議に分け入り、数式ではなく感覚として時空や量子を体感させる入門書。表紙は、青空と椰子の木を背景に、校庭らしき広場で大勢の子どもたちが砂遊びやプールに興じる俯瞰のイラストレーションで埋め尽くされる。細い線で描き込まれた群衆の一人ひとりが思い思いに動き回り、賑やかな夏の一日が一枚に圧縮されている。手描き風の大ぶりな明朝体タイトルが画面に重なり、ペールブルーと若草色の軽やかな配色とあいまって、難解な宇宙論を子ども時代の遊びの延長として迎え入れるような佇まいを生んでいる。

著鵺野莉紗
装丁越阪部ワタル
装画孳々
KADOKAWA / 2022年
文学・評論