
第42回横溝正史ミステリ&ホラー大賞優秀賞を受賞した、百合・ミステリ・ホラーが交差する長編。憎悪と恩寵、溺れる夢の先で少女たちは何を目撃するのか。深い藍を基調にしたカバーには、淡い水彩のタッチで描かれた二人の少女が頭を寄せ合うように横たわる。制服のシャツの白と髪のグレーが冷ややかに溶け合い、散る小花は祈りのようにも棺の装飾のようにも見える。明朝体のタイトルは縦に整然と並び、絵の静けさを乱さない。眠りと覚醒、生と死の境を、装画の透明感そのものが語っている。
著山白朝子
装丁名久井直子
装画山本タカト
KADOKAWA / 2016年
文学・評論