
富山の海辺町を舞台に、孤独な男のもとに転がり込んでくる隣人たちとの、ささやかな食卓と日々を描く長編小説。表紙には公園のブランコに後ろ向きで立ち、淡い空を見上げる子どもの写真があしらわれる。逆光に白く溶けた光、ストライプのシャツ、赤い座板の赤錆、足元に揺れるサンダル。タイトルは細い明朝でブランコの脇に静かに添えられ、下部に巻かれた帯の白がいっそうの軽さを支える。誰かを待っているような、待たれているような、人と人のあいだの余白を一枚の光景で言い当てている。
著TOBIpub.
装丁中本ちはる
装画ワタナベケンイチ
リトルモア / 2021年
文学・評論