
二足で立つ二匹の猫、ルッキオとフリフリが大きなスイカを抱える夏の一場面を描いた絵本。赤い水玉のバンダナを結んだ黒猫と、青い首輪をつけた白黒のハチワレが、半月型に切られたスイカを大切そうに両端から支える姿が物語の幕を開く。白い余白を広くとった表紙には、緻密な毛並みの描写と果肉の鮮やかな赤が静かに対比し、タイトル文字はスイカの色を引き継ぐ手描き風の赤で躍るように配される。柔らかな筆致と余白の効いた構図が、二匹のささやかな夏の喜びをそのまま読み手に手渡す一冊。
著村田喜代子、長野まゆみ、松浦寿輝、酒井駒子、ほか
装丁帆足英里子+古屋安紀子
講談社 / 2017年
文学・評論