一覧に戻る文学・評論女優堕ち河原れんスポットライトの当たらない時間にこそ滲み出す、女優という生き方の不確かさを描く一篇。表紙はくすんだ藤色で全体をまとめ、衣装が雑然と吊られたクローゼットの前で、ひとり床に座り台本らしき紙束に向かう人物を絵画的なタッチで写し取る。手前には倒れた香水瓶、開きかけのコンパクト、転がるネイル——華やかさの残骸が散らばり、絨毯の白だけが妙に清潔だ。揺れる輪郭線と紫の濃淡が、堕ちる、という言葉の艶やかな曖昧さを丁寧に支えている。About出版社KADOKAWA出版年2016年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁坂詰佳苗装画山城えりかAmazonで見る