
マツオという少年が、毎日がお祭りという不思議な町で個性豊かな仲間たちと過ごす、にぎやかな物語の絵本。深い藍色の夜空を背景に、提灯のように灯る色とりどりの飾りが画面上部を横切り、その下では笛を吹く主人公やおばけ、猫、人々が黄色い道を踊るように行進する。手描きの線と平塗りに近い彩色で描かれた群像はどこか祝祭的で、ややくすんだ発色が夜の温度をやわらかく伝える。タイトルは灯りと同じ黄色で抜かれ、町の喧騒と夜の静けさを一枚の絵のなかで両立させている。
著土井善晴
装丁漆原悠一
装画鈴木康広
ミシマ社 / 2023年
暮らし・健康・子育て