
20世紀アメリカ文学の短編の名手による作品を、柴田元幸が選び訳した一冊。市井の人々の哀感や不思議さを掬い上げた物語が収められている。表紙はベージュの地にブルーと黒のみで刷られた街角の情景。雪の舞う窓辺、ぽつりと佇む黒衣の人影、こちらに向かって歩いてくる犬。版画を思わせる簡素な線と限られた色数が、舞台となる土地の冷たく静かな空気を立ち上げる。ささやかな日常の隙間に滲む寓話性を、ひと気の少ない冬の街頭が静かに予告している。
著SharpeMatthew、柴田元幸
装丁Michiyo Miyako
スイッチ・パブリッシング / 2021年
文学・評論