
本に潜む悪魔と人間との交わりを描く、耽美と幻想を行き来する一作。表紙には、開かれた本の上にもたれかかるように身を寄せ合う三人の青年の姿が、淡くにじむような彩色で描かれる。背景にはうっすらと書物のページや小さな本が散らばり、金色を帯びた光が画面全体を温めている。縦組みのタイトルは「悪魔」「恋」の二字だけを大きく強調し、他の文字をかすれるように薄く配することで、物語の核となる言葉だけが浮かび上がる。書物の世界に取り込まれていく登場人物たちの姿と、文字そのものに溺れていくような書影の作りが響き合う。
著甲田学人
装丁百足屋ユウコ+豊田知嘉
装画花邑まい
KADOKAWA / 2020年
文学・評論