
学校の階段に腰を下ろした三人の少年と、踏み段に投げ出された一冊の青いノート。思春期のもつれた感情と、ひそやかに動き始める「計画」の気配が、静かな構図のなかに描かれている。淡い水彩のにじみで描かれた白っぽい階段は、明るくも乾いた光に満たされ、人物の輪郭はやわらかく曖昧で互いの距離だけが際立つ。タイトルは鮮やかな水色の筆文字で空間に浮かび、青いノートと響き合って画面をひとつに束ねる。穏やかな色面のなかにひそむ不穏が、表題の硬質さと釣り合っている。
著岩井秀人
装丁坂野公一
カバー写真興村憲彦
河出書房新社 / 2014年
文学・評論