
セデック・バレ
日本統治下の台湾で起きた霧社事件を題材とする、台湾映画の小説版。深い森を背に、銃を携えた人物が横顔を見せる場面が、緻密な線画と淡い水彩で描かれている。茂る木々の緑、土気色の上衣、首元から胸へと流れる赤と黒の織り布が画面の縦軸を支え、上空にはわずかな空の青がのぞく。中央には金色の筆記体と明朝体で組まれたタイトルが重ねられ、絵の硬質さに装飾的な余韻を添える。山の民の沈黙と覚悟を、絵と書体の二層で静かに立ち上げた一冊。
About
Credits
- 装丁
- 坂野公一(welle design)
- 装画
- 竹田嘉文

















