
死にたい」に代わる言葉が必要だ——本書はその問いから編まれた一冊。電話番号を公にして無数の声に応えてきた書き手が、SNS上に書き残してきた言葉を選り集めている。表紙は白地に、大きく波打つ緑のひらがな。文字は紙の外へ流れ出すように配され、一部は天地で切れて見えなくなる。読みやすさよりも揺れや余白を残す配字が選ばれていて、急いで呑み込ませず、ゆっくり読むという行為そのものを差し出すような佇まいになっている。

著井上ひさし
装丁山田和寛+佐々木英子
装画やべみつのり
作品社 / 2023年
文学・評論