
19世紀ドイツのピアニストにして作曲家、クララ・シューマンの生涯を平易にたどる音楽家伝記シリーズの一冊。表紙は横顔の女性を中心に据え、髪に花を挿し、ドレスの繊細なストライプを墨の線描で描き出す。背景にはピアノや小さな家、五線譜のリボンと音符が散り、ショッキングピンクと深い青、若葉色の三色でリズミカルに刷り分けられている。版画的なざらつきを帯びた色面と軽やかな手描き文字のロゴが、クラシック音楽の重厚さよりも、ひとりの女性が音と共に生きた日々の瑞々しさを伝える装いになっている。

著井上ひさし
装丁山田和寛+佐々木英子
装画やべみつのり
作品社 / 2023年
文学・評論