
これでなければ」と思える、持ち主にとってかけがえのない品々をめぐる随筆集。代わりのきかない存在へ向ける愛着や、ものと暮らしの距離感が、軽やかな筆致で綴られる。表紙には、青い小鳥や白い馬、黒猫、宝石、ケーキスタンド、薔薇、鍵、籠に盛られた花、蝶などが水彩で淡く描かれ、円環を成して題字を囲む。並ぶのはどれも、誰かにとっての「特別な一品」を思わせる小物たち。代えのきかないものが寄り集まり、ひとつの輪をつくる——本の主題を、白い余白のなかに静かに描き出している。
装丁ハヤカワ
装画Pablo Uchida
Pablo Uchida / 2014年
文学・評論