
1930年代アメリカ、農場を渡り歩く労働者ジョージと知的障害のある大男レニーの友情と悲劇を描いた中編。大恐慌期の希望と挫折が、簡潔な筆致で結晶化されている。表紙は青緑の地にシルエットを切り絵のように配し、黒い農夫や鶏、ピンクの兎、黄色の鼠、緑の鉄床、銃や鋸といったモチーフが点在する。版画的なタッチと限定色の刷りが、土埃の立つ平原と荒い人の手触りを思わせる。下部の黄色いタイトルロゴが、寓話性と社会の硬さを同時に立ち上げている。
著平松洋子
装丁名久井直子
装画長谷川潾二郎
講談社 / 2019年
文学・評論