
コロナ下の日常を、作家と漫画家の夫婦、2歳の娘という三者の視点から描く連作。無数のささやかな反復=ルーティンの集積として、世界が静かに回り続けるさまを掬い取る一冊。表紙は鮮やかなグリーンの矩形を上半分に配し、その中央に細身のゴシックで書名と著者名を簡潔に置く。下半分は白地のまま帯に明け渡され、本体と帯が一枚の面のように地続きに見える設計。緑の発色と余白の張りが、繰り返される日々のなかに不意に立ち上がる新鮮さを、装丁そのもので示している。
著李琴峰
装丁アルビレオ
装画坂本夏子
講談社 / 2018年
文学・評論