
おたく」という言葉が当事者性とともに語られた時代を、評論家自身が通過した一九八〇年代から問い直す論考。表紙は水玉のワンピースに身を包んだ少女の手描きイラストを白地に大きく配し、繊細なペン線と淡い水彩のような彩色が当時の少女まんが的な気配をそのまま立ち上げている。タイトルは細い明朝で縦に流し、帯の柔らかな珊瑚色が画面下を穏やかに引き締める。装画と書体の選択そのものが、論じられる時代の手ざわりを差し出している。
著岸本章
装丁吉岡秀典+佐藤翔子+平良佳南子
彰国社 / 2024年
アート・建築・デザイン