
雪の降る街の螺旋階段に佇む赤いコートの女性を描いた一葉のイラストレーションが、表紙のほぼ全面を占める。連続殺人事件を軸に、人生を支配する「情景」そのものを問う長編ミステリ。淡いブルーグレーで沈めた建物と舞い落ちる雪片の白、そこに一点だけ差し込まれる鮮烈な赤の対比が、静謐な冬景色のなかに不穏な気配を立ち上らせる。タイトルロゴはイラストに溶け込む半透明の白で重ねられ、帯の赤い見出し文字が表紙の赤と呼応する。情景が殺意を孕む、その一瞬を切り取った装画である。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論