
江戸の闇に潜む鬼を斬る花魁の物語。シリーズ開幕を告げる時代エンタメで、和と異形が交差する世界が立ち上がる。鮮烈な朱色を地に、白抜きの欧文タイトルと細い明朝の和文を重ね、中央には日本刀を構える花魁を据える。背後には蝶や菊、龍の鱗を思わせる文様が緻密に折り重なり、纏う着物の青や金が朱地に映える。赤い帯には「鬼はすべて、わっちが斬る!」の一句が縦に走り、絵と書のリズムが拮抗する。装画と色面の強度が、物語の修羅を表紙の段階で予感させる。

著伊吹亜門
装丁坂野公一
装画水沢そら
小学館 / 2024年
文学・評論