文学・評論
契約結婚はじめました。 5 椿屋敷の偽夫婦
白川紺子
契約を交わして始まった夫婦生活が、回を重ねて静かな日常に着地する完結巻。椿屋敷を舞台にした、ささやかな機微の物語。表紙は和室に向かい合って座る男女を淡い水彩で描き、黄色の上着と藍鼠の着物が穏やかなコントラストを生む。画面の四隅には深紅の椿が配され、白を基調にした柔らかな構図に芯を通す。罫線で区切られたタイトル組と縦に小さく添えられた巻数表記が、シリーズものとしての落ち着きを与えている。会話の余白までも装幀に編み込んだ、静かな終幕にふさわしい一冊。