文学・評論
イヴの末裔たちの明日 松崎有理短編集
松崎有理
人類が極限の状況に追い込まれたとき、何を選び、どこへ向かうのか。表題作を含む短編集は、近未来的な思考実験を柔らかな筆致で重ねていく。カバーは淡いミントとピンクを基調に、夜空を背負った宴のような場面が線画で描かれる。アーチや星、テーブルを囲むロボットと少女のあわいから、SFの清涼感と童話的な余韻が同居する。タイトルは吹き出し状の囲みに収められ、軽やかな書体が物語の入口を開く。装丁全体が、思索の重さを抱えながらも夜気のように涼やかに息づいている。