
大阪・京橋のキャバレー「グランドシャトー」を舞台に、家族を超えて結ばれていく女たちの絆と街の盛衰を描いた長編小説。黒地のカバーに、ピンクと淡いブルーで彩られた二人の女性の横顔がほのかな光をまとって浮かび上がり、口元からは華やぎとけだるさが同時に漂う。中央には黄色の太いカタカナで「グランドシャトー」と大胆に組まれ、添えられた縦書きの惹句がネオン街の高揚を思わせる。夜の艶やかさと孤独を一枚に閉じ込めた装いが、物語のきらめきと哀切を静かに予告している。

著風野真知雄
装丁関口聖司
装画遠藤拓人
文藝春秋 / 2024年
文学・評論