
絵本作家として戦後の子どもたちに数えきれない物語を届けた著者が、自らの来し方と未来の子どもたちへの想いを綴った一冊。鮮やかな黄緑の地に、コックや帽子の子、動物や虫まで、線描と淡い水彩で描かれた小さな人物たちが球状の集まりをつくり、まわりには鳥や蜂が舞う。タイトルと著者名は手描き風の素朴な書体で上部に小さく置かれ、にぎやかな絵を主役に据える構成。一人ひとりに目を向けてきた仕事の総体が、そのまま装画として立ち上がっている。

著水道橋博士
装丁鶴丈二
装画江口寿史
文藝春秋 / 2021年
文学・評論