
同じコンビニで100日間ビスコを買い続けたら、店員からあだ名をつけてもらえるのか——note発の人気企画を書籍化した、日常の片隅から立ち上がる小さな観察記。表紙中央には実物大に近いビスコの赤いパッケージが据えられ、その周囲を朱色一色で描かれた店員や客のラフな線画が囲む。タイトル文字は縦組みと横組みを大胆に交差させ、赤・黒・紙の白の三色だけで構成。帯のクリーム色が全体に控えめな温度を添え、市井のささやかなやりとりを慈しむ本書の手ざわりを、そのまま視覚に置き換えている。

著工藤純子
装丁坂川朱音
カバー写真田中達也+MINIATURE CALENDAR
講談社 / 2023年
文学・評論