
ロシア語と、その背後にある文化や人物像を、笑いを交えながら平易に語るエッセイ集。「コーヒーと一冊」シリーズの一冊で、声に出すのが難しいロシア人名を入り口に、言葉の手触りを楽しむように書かれている。表紙はクラフト紙のような褐色の地に黒一色の活版風印刷で、軍帽や口髭をたたえた人物の小さなイラストを四隅に配し、中央にはロシア連邦の輪郭らしき白抜きのシルエットを敷く。和文タイトルの末尾だけキリル文字に置き換える遊びと、キリル文字の引用句がエッセイの軽妙さを予告する。素朴な紙の質感と簡素な色数が、難しげな題材を肩の力を抜いて手渡してくれる。
著北野新太
装丁寄藤文平+鈴木千佳子+文平銀座
ミシマ社 / 2015年
ノンフィクション