
リーリエ国の騎士団に身を寄せた少女と、彼女を守る盾の騎士。出来そこないと呼ばれた弓引きが、世界を射るまでの物語が、ライトノベル文庫の体裁で綴られる。カバーは夜明け前のような群青を基調に、剣と弓を手にした二人の人物画を中央に配し、タイトルは縦組みの白抜き明朝で右端に堂々と落とす。背後には光の射す城下と紋章めいた百合のモチーフが透け、装画の柔らかな筆致と、帯の「どうか、わたしの盾になってください。」という直筆風の文字が、騎士道物語特有の祈りの気配を立ち上げている。物語の核にある誓いを、色と筆と書体で同時に響かせた一冊。

著小田菜摘
装丁関静香
装画シライシユウコ
集英社 / 2021年
文学・評論