一覧に戻る文学・評論深紅の碑文(下)上田早夕里海面上昇後の地球を舞台にした長編SFの下巻。種としての人類が直面する岐路を、緻密に編まれた世界観のなかで描き切る一冊である。表紙はモノクロームに沈む惑星像。横方向に走るノイズや帯が画面を細かく切り裂き、その上に深紅の力強い書体で表題が彫り込まれる。書名だけが血のように際立つ構成は、冷たい宇宙の静寂と、そこで燃え続ける生の熱を同時に伝え、物語が辿り着いた地点を静かに予告している。About出版社早川書房出版年2013年ジャンル文学・評論Amazonで見る