
定年後、行きつけの喫茶店を巡る日々に居場所を探す男の物語。淡いクリーム色の地に、水色のスーツを着たおじさんがオレンジ色のテーブルでカップを傾ける一場面が、線の柔らかなイラストで描かれる。ソーサーと水のグラス、几帳面に揃えられた靴先まで含めた、ささやかで生活感のある構図。タイトル文字は手書き風の太字でリズムよく配され、人物のかたわらにローマ字表記が小さく添えられる。喫茶店という日常の小宇宙を、軽やかな色面と余白で描き切った装丁。
著CarmonaAntonio、加藤かおり
装丁岡本歌織
装画北澤平祐
小学館 / 2025年
文学・評論