
落語界を揺るがした師弟騒動を、当事者である弟子が綴った一冊。協会脱退をめぐる内紛と、それでも師匠を見つめ続けた門下の視点が、内側からの記録として残される。表紙は赤と黒の二色を強い対比で組み、白い着物姿の人物が顔を朱に染めて座る姿を、版画調の太い輪郭で描き出す。背後には墨を引いたような幕、舞台を思わせる赤い台。題字は朱と黒で大胆に裁ち落とされ、感嘆符だけが宙に切り離されている。芸の世界の熱と修羅が、張りつめた赤一色に集約されていく。

著EverettPercival、木原善彦
装丁鈴木成一デザイン室
装画吉田雨水
河出書房新社 / 2025年
文学・評論