一覧に戻る文学・評論歳月なんてものは久世光彦時の流れと、その底に沈んでいくものたちへの眼差しを綴った随筆集。淡い苔色の地に、片目の白く濁った熊の頭部が描かれ、首から下は白い布だけが垂れている。生きものとも剥製ともつかぬ存在が、絵画的な筆致でぼんやりと浮かび上がる。緑で抜かれた縦組みの明朝が、鈍い色調にそっと寄り添い、紙のマットな質感と相まって寂しさを湛える。掴みかねたまま遠ざかる記憶のかたちが、一枚の絵に静かに預けられている。About出版社幻戯書房出版年2011年判型四六判 / A5判 サイズジャンル文学・評論Credits装丁緒方修一装画樋口佳絵Amazonで見る