同じ「白野真澄」という名を持つ5人それぞれの、生きることへの少しの不器用さを描いた連作短篇。名前は同じでも、抱える悩みはひとつとして重ならない。淡い水色の地に、5人の小さな人物像と、赤い帽子のキャラクター、本、長靴、もぐらのような生き物などが軽やかに散らされる。手描きの線とにじみを残した塗りが、人物の輪郭を曖昧にしたまま並べる。タイトルは縦組みの明朝で右端に静かに置かれ、左には「Same name unique life」の小さな英文が添えられる。賑やかさよりも、ひとりひとりの距離感をそっと示す装丁。