
同性愛がタブー視された時代を舞台に、ひとりの警官をめぐる愛と結婚、その代償を静かに描く長編小説。表紙は淡いブルーを背景に、青い瞳の青年が斜めにこちらを見上げる肖像画。淡彩のイラストレーションが憂いを帯びた眼差しと水色のシャツの質感を柔らかく浮かび上がらせ、中央には筆記体の英題が銀色の線でさらりと重ねられている。色数を抑えた澄んだ画面と手書き文字の親密さが、抑圧の時代に交わされた密やかな感情の輪郭を、そっと差し出している。

著宮田光
装丁坂野公一
装画RED FLAGSHIP
二見書房 / 2021年
文学・評論