
家」を喰い破る呪いと、それに立ち向かう霊能力者「助葬師」の戦いを描く、民俗学とミステリーホラーが交錯する長編。緑がかった暗い階段の前に佇む白装束の人物を写真で配し、その上に蛍光イエローの太い手描き風タイトルを大きく重ねている。英字「SUICIDE HOME」は階段に紛れるほど細く小さく、和文だけが画面を斬るように走る。帯にも同じ黄が引き継がれ、「家に棲む」「家族に潜む」の縦組みが層を成して、家屋の暗がりにうごめく何かを視覚化している。冷ややかな写真と毒のような黄が衝突し、住み慣れた家の異物感を立ち上がらせる装丁。

著伊吹亜門
装丁坂野公一
装画水沢そら
小学館 / 2024年
文学・評論