
国土交通省の架空部署「幽冥推進課」を舞台に、現世と幽世のあわいで揺れる人々を描く現代ファンタジーシリーズの第三作。夕焼けを思わせる橙のグラデーションを背景に、若い女性と眼鏡の青年、上空に浮かぶ大きな獣の顔、咲き乱れる赤い花や湯気の立つ丼が配される。柔らかな線で描かれたキャラクターと俯瞰気味の構図が、日常と異界の重なりをひとつの画面に溶かし込む。題字は和紙のような短冊に縦組みで据えられ、丸文字の「3」が物語の続きを軽やかに告げる。橙の熱と人物の静けさが、温度差のあるこの世界の手触りを伝える装丁。

著さくらももこ
装丁西野史奈
装画さくらももこ
集英社 / 2019年
文学・評論