
1960年代後半、京都・大阪を中心に勃興した関西フォークの熱気を、五つの赤い風船の歩みを軸に辿る評伝的ドキュメント。著者自身もフォークシンガーとして同時代を生きた書き手による証言である。表紙は道頓堀の戎橋や看板を背景に、サングラスをかけ煙草をくわえ、緑のギターケースを提げた青年を太い輪郭線とフラットな原色で描いたイラストレーション。黄地に黒の縦書きタイトルが画面右側を貫き、漫画ポスターのような戯画調の親しみで時代の街角を立ち上げる。軽やかな線が、若者文化として走り出した音楽の手触りを伝える。
著Heikala 倉地三奈子
装丁こまゐ図考室+駒井和彬
マール社 / 2021年
アート・建築・デザイン