一覧に戻る文学・評論ママがやった井上荒野家のなかで起きた、ひとつの取り返しのつかない出来事。残された人々の声を重ねるように綴られる長編小説。深紅の地に、暗い臙脂の女性像が長い三つ編みを背に垂らして座り、手には白い花を一輪携える。背後に赤い円、左上には多面体の塊が浮かぶ。ざらついたマチエールで描かれる具象と抽象のあわい。白い明朝のタイトルが画面の余白を静かに区切り、赤の濃淡だけで構成された一場面が、語られないままの出来事の重さを孕んでいる。About出版社文藝春秋出版年2019年判型文庫ジャンル文学・評論Credits装丁関口聖司装画福田利之Amazonで見る